
財産管理等委任契約は、判断能力が十分あるうちに「この人にお願いしたい」という相手を選び、財産の一部または全部を管理してもらう契約です。例えば特定の金融機関の口座だけ、家賃収入だけなど、必要な部分を自由に選べるので、身体の負担を減らしながら自分の意思を活かせる点が魅力です。
01任意後見契約と財産管理等委任契約

任意後見契約と財産管理等委任契約、何が違う?
任意後見契約は、認知症などで判断能力が低下したときに初めて効力が発生します。つまり、元気で判断力がしっかりしている間は、この契約は発動しません。一方、財産管理等委任契約は、契約を結んだその時点から効力を発揮させることができます。例えば、身体的な不自由があっても判断力がある場合、財産管理等委任契約があればすぐに財産管理をスムーズに行えます。

2段構えの安心。財産管理と後見をセットで考える
現在は日常生活でサポートが必要な場面があるものの、判断力はしっかりしているため、財産管理等委任契約を活用し、必要な手続きを任せることができます。将来、認知症リスクが現実化した際には任意後見に移行する二段構えも可能です。移行型任意後見契約を締結しておけば、当面は“今すぐ必要な部分”だけ依頼し、判断能力が低下した際に後見へと切り替えられるため、より安心です。02財産管理と療養看護

財産管理の委任内容
財産管理では、「銀行口座の引き出しや振込」「家賃収入の受け取りと経費支払い」など、委任する範囲を細かく指定できます。すべてを委任することも、特定の手続きのみに限定することもできます。契約内容を明確にしておくことで、財産管理の負担を軽減し、必要な手続きが円滑に進むよう準備できます。